卓球ラケットには5枚合板、7枚合板、アウターカーボン、インナーカーボンなどの様々な構成パターンがあります。
- それぞれどんな特徴がある?
- どれが自分に合っているの?
そんな疑問は無いでしょうか。
今回は主な構成パターンについて、特徴・メリット・デメリット・どんな人に向ているかを解説していきます。
自分に合うラケットを選ぶ際の参考にして頂ければ幸いです。
5枚合板
特徴
木材の板を5枚接着させた合板構成となります。
初心者はまずこれからと言われるほど王道的なラケットとなります。
他の構成と比較し
- 打球感が柔らかいものが多い
- 弾みが控えめ
- 比較的重量が軽い
といった特徴があります。
メリット
5枚合板の最大のメリットは扱いやすいさ+安定感です。
ラケットの弾みが控えめでコントロールしやすく、台上の細かい技術もやりやすいです。
また、打球感が柔らかくしなりも良いためボールに回転を掛けやすいです。
ドライブは比較的弧線になるので、ネットにかかる心配が無く安定感が高いです。
その為、打点が落ちたプレーもやりやすく、弧線を作って入れることが出来ます。
軽量なものが多いので、重いラバーと合わせてもトータル重量を抑えやすいのがメリットです。
デメリット
弾みが弱い為、レベルが上がるほど球威が物足りなくなってきます。
飛距離も出しにくく台から下がると打ち抜くのは難しいです。
回転が掛けやすい反面、相手の回転の影響も受けやすいラケットでもあります。
しなりが良いラケットはブロックなどの球を受ける場面では相手の球に押されやすい傾向があります。
向いている選手
基礎を身につけたい初心者
程よい弾みで体を使って打たないと飛ばないので、基礎を身につける初心者に最適です。
初心者同士であれば強い回転や強打を受けることが少ないので、押されやすいというデメリットが緩和されます。
安定重視の選手
自分がミスをしないことに重きを置く人に最適です。
球の球威よりもコースを突いたり、強い回転を掛けて相手のミスを誘うタイプにおすすめです。
ラリーのスピードを遅くしたい人
弾むラケットはスピードが良く出ますが、相手の返球も早くなります。
フットワークを駆使する選手は返球が早いと間に合わなくなるので、あえて弾みの弱いラケットを使用するのも良いと思います。
7枚合板
特徴
木材の板を7枚接着させた合板構成です。
5枚合板と比較し
- 弾みが良い
- 打球感が硬い
- 重量が重い
- ブレードに厚みがある(一部例外有)
といった特徴があります。
メリット
7枚合板のメリットは球威が出る、相手の球に押されにくい所です。
5枚合板と比較し弾みが強いので、振り切れればスピードが速く重い球が出ます。
飛距離を出しやすく、台から下がってもプレーがしやすいです。
ラケットが厚くしなり難いので、ミート系の技術もやり易く、ブロックは相手の球に押されにくいです。
5枚合板よりは打球感は硬いですが、カーボンラケットよりは打球感は柔らかい物が多いです。
木材独特のボールを掴む感覚を残しながら弾みを上げることが出来ます。
デメリット
5枚合板と比較し扱いにくいというのが最大のデメリットです。
重量が重いものが多いので、パワーのある選手でないとラケットの性能を活かせません。
板厚が厚くしなりも少ないので、中途半端なスイングでは回転が掛かりません。
弧線が5枚合板より低いのでネットミス、オーバーミスが出やすいラケットとなります。
向いている選手
木材の打球感が好き+弾みが欲しい人
5枚合板を使用しており弾みが物足りなくなった場合、特殊素材か7枚合板が選択肢になってきます。
カーボンは7枚合板より軽量で弾みを確保する事が出来ますが、球離れが早く打球感が硬いです。
木材独特のボールを掴む感覚を残して弾みを上げたい人は7枚合板がおすすめです。
重いラケットを振り切れるパワーのある人
ラケットが重い分振り切れれば威力が出ますし、相手の球威にも押されにくくなります。
重いラケットを振り切れるだけのパワーがある人におすすめとなります。
アウターカーボン
特徴
ラケットの外側(上板の次)にカーボンが入ったラケットです。
- 軽量で板厚を抑えつつ良く弾む
- 木材ラケットと比較し打球感が硬い
- 球離れが早い
といった特徴があります。
メリット
7枚合板と比較しラケット重量を抑えつつ、弾みを確保できるのが最大のメリットです。
球離れが早いのでミート技術がやり易く、初速も速いので前陣での早いピッチでのラリーにも適しています。
ボールの軌道は木材と比較し直線的になるので、相手の取りにくい鋭い球となります。
デメリット
硬くてよく弾むためコントロールが難しいラケットとなります。
特に台上のストップ、ツッツキなどの細かい技術がやり難い傾向にあります。
直線的な軌道な為、安定感に欠ける部分があり、打球点を落としたプレーもやり難いです。
球離れが早く、中途半端なスイングだと回転が掛からずに棒球となりやすいです。
向いている選手
重量を抑えつつ弾みを上げたい人
5枚合板と比較すると良く弾むため、球威を求める人に最適です。
7枚合板よりは重量を抑えることが出来るので、パワーが無い選手や重いラバーを貼りたい人にもおすすめです。
弾むラケットをコントロール出来る人
球離れが早く硬いのでコントロールが難しいラケットです。
扱えるだけの感覚が無いと、相手へのチャンスボールを作ってしまったり、失点につながってしまいます。
高い打点でプレーする人
比較的直線的に飛ぶため、打点を落とすプレーはやり難く、高い打点で捉える人の方が向いています。
打点が高ければ相手に時間を与えないのでラリーを優位に進めやすいです。
インナーカーボン
特徴
ラケットの内側(中心材の次)にカーボンを配置しているラケットです。
カーボンを搭載しながら
- 軽打時は木材、強打時はカーボンの打球感
- アウターより球持ちが良く回転が掛けやすい
といった特徴があります。
メリット
合板に近い安定感、扱いやすさがありながらカーボンの威力も兼ね備えています。
軽打時は木材の打球感で台上など細かい技術がやりやすく、強打時にはカーボンの反発力でスピードのあるボールが打てます。
アウターより球持ちがよいので回転が掛けやすく、安定感が高いラケットとなります。
デメリット
アウターと比較すると絶対的な威力では劣ります。
合板とカーボンのいいとこ取りのラケットとなりますが、裏を返せば中途半端なラケットとなります。
ボールへの打球の仕方により打球感や弾みが変わるので、インナーの性能は好みが分かれる所だと思います。
向いている選手
5枚合板にもう少し弾みが欲しい人
カーボンが内側に配置されている分、アウターカーボンに比べ弾みは控えめになっています。
打球感も木材に近く、5枚合板の様に回転が掛けやすいので5枚合板+αの弾みが欲しい人に向いています。
台上等の細かい技術はあまり弾まず、強打時だけ弾ませたい人
軽打では木材の感覚に近いので、台上技術など細かい技術は非常にコントロールがしやすいです。
一方強打時にはカーボンが作用するので、5枚合板よりスピードのあるボールを打てます。
カーボンラケットを初めて使う人
いきなりアウターカーボンを使うと打球感が硬く弾みが良いので、扱いきれないことがあります。
まずはインナーカーボンを使用し打球感に慣れ、物足りなくなったらアウターカーボンに移行するのも良いでしょう。
まとめ
今回はラケットの代表的な構成パターンの特徴やメリット、デメリット等を解説しました。
ラケットの性能は構成パターンだけでは決まりませんので、あくまで参考程度にお考え下さい。
極端に言ってしまえば5枚合板でも7枚やアウターカーボンより弾むものもあります。
ラケット特徴を理解したうえで、最適な選択をして頂ければと思います。