バタフライのラケット「張本智和インナーフォースALC」は2019年4月に発売開始となり、その名の通り張本智和選手をモデルに開発されております。
同メーカーにはALCを搭載したラケットが様々あり、他のラケットとの違いや使用感などが気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は張本智和インナーフォースALCを購入して使ってみましたので、ラケットを使用しての感想や、良い点・悪い点を解説します。
本ラケットが気になっている方は是非参考にしてください!
商品説明
品名:張本智和 インナーフォース ALC
メーカー:バタフライ
構成:インナーファイバー 5枚合板+アリレート カーボン 板厚6mm
グリップ:FL、ST、AN、CS
平均重量:87g(CS:88g)
価格:¥18,000+税(2024年9月時点)
張本智和選手と共同開発したモデル
バタフライ公式HPより
張本智和選手と共同開発したモデル。適度な弾みと「ボールをつかむ感覚」を持つ『インナーフォース レイヤー ALC』をベースにし、ブレードサイズをわずかに大きく設計しました。張本選手の前陣での超攻撃的なドライブやカウンター、堅固なブロックを支えてきたラケットです。
インナーフォースレイヤーALCとスペックを比較すると下記の様になります。
張本智和インナーフォースALC | インナーフォースレイヤーALC | |
反発特性 | 10.7 | 10.7 |
振動特性 | 9.2 | 9.4 |
ブレード厚 | 6.0mm | 6.0mm |
ブレードサイズ | 158×152mm | 157×150mm |
平均重量(シェーク) | 87g | 91g |
インナーフォースレイヤーALCとの大きな違いは、ブレードサイズがやや大きめに設計されているところです。
また、振動特性が若干小さいので、僅かですが手に響きやすく、柔らかく感じられる仕様となります。
張本智和インナーフォースALCはシェークだけでなく、CS(中国式ペン)のラインナップもあります。
今まで中ペンで板厚6mmのインナーALCはありませんでしたので、まさに待望のラケットとなります。
張本智和インナーフォースALCを使用して良かったところ
張本智和インナーフォースALC使用してみて良かったところは下記となります。
- 木材と特殊素材のいいとこどり
- プレーに安定感が出る
木材と特殊素材のいいとこどり
インナー系のラケットなので軽打や薄く擦って回転をかける場面では、木材の柔らかい打球感で扱いやすく、回転が非常に掛けやすいです。
回転量も多く、サーブやドライブ、チキータなど回転を駆使して戦うスタイルにマッチしています。
一方でスピードドライブやミート系、スマッシュなどラケットに強くあてる打ち方だとカーボンの打球感が強くなり、木材より弾みやスピードのあるボールが打てます。
飛距離を必要としないショートサービスやツッツキ、ストップなどは木材の感覚でコントロールがしやすく、攻撃時など飛ばしたい時はカーボンを使って飛ばせる、まさに木材と特殊素材のいいとこどりのラケットだと感じました。
プレーに安定感が出る
ALCがカーボンの中でも扱いやすい素材となり、さらにインナー仕様なので弾みが控えめで扱いやすいです。
ドライブの軌道は木材の様に弧線になりやすく、球持ちの良さもあり打点を落としてのプレーもやりやすいです。
また、面が広いのでスイートスポットが広く打ち損じが少ないです。
ドライブやスマッシュを連打の際も安定感があり、ブロックも止めやすく攻守ともに優れたラケットです。
「木材では球威が物足りないけど扱い難いラケットは避けたい」そんな方に最適な選択肢であり、木材からカーボンに移行する際にもおすすめです。
張本智和インナーフォースALCを使用して悪かったところ
逆に微妙だと思った点は下記となります。
- 打ち方によって弾みや打球感が変わる
- 回転の影響を受けやすい
- 重量がありラバーを選ぶ
打ち方によって弾みや打球感が変わる
使用しており一番デメリットだと感じたのは、打ち方よにって打球感や弾みの変化が大きいという事です。
前述の通り、軽打時は木材の打球感で弾みが弱く、強打するほどカーボンの打球感で弾みが強くなります。
この打ち方による打球感や弾みにバラツキが大きいところが、好みが分かれると感じました。
カーボンを使って飛ばそうと思っても、インパクトが足りず表面で掴みすぎてしまうといった事もあります。
純木材やアウターカーボンは打ち方に関わらず均一に弾むので、そちらの方がコントロールしやすい人も多いでしょう。
回転の影響を受けやすい
本ラケットは自分から回転をかけたり、上書きする分には非常に優れています。
一方、相手の回転に合わせての角度打ちや、流しなどは難しさを感じました。
一般選手の試合でレシーブからドライブやチキータをガンガンかけていく展開は少なく、ツッツキ、ストップ、フリックなど相手のボールに合わせる場面も多いかと思います。
その中で、本ラケットは木材の様に球持ちが良いゆえに回転の影響を受けやすいです。
スピードドライブよりは強回転のループドライブを打たれた方が対処をしにくく、レシーブでも強い回転のサーブは角度を間違えるとミスに繋がりやすいです。
ドライブの引き合いでもラケットに食い込みすぎてしまい、球離れが悪いので、相手のボールに押されやすいと感じました。
フルスイング時はやはりアウターの方が速く球威もあるので、ラリー戦はアウターの方が優位となります。
重量がありラバーを選ぶ
シェーク、中国式どちらのラケットも重量があり、ブレードサイズも大きいので総重量が重くなりがちです。
昨今の硬くて重いスピンテンションを両面に貼ってしまうと、パワーが無い方は扱うのは厳しいでしょう。
性能自体は扱いやすく様々なラバーと相性が良いですが、重量面では色々と制約があるラケットだと感じました。
まとめ
今回は張本智和インナーフォースALCのレビューをしました。
本ラケットの特徴は下記の様になります。
- 柔軟なALC&インナー仕様により、扱いやすいカーボンラケット
- 木材に近い性能でありながら、強打時はALCの効果でスピードが出る
- スイートスポットが広くプレーに安定感がある
木材に近い扱いやすさや安定感を重視しつつ、その中で球威を出したい人におすすめです。
カーボンラケットの中でもマイルドな打球感のため、硬いラバーとの相性も良いです。
一方、球持ちが良い分相手の回転の影響を受けやすく、アウターほどの弾みやスピードは無いので、ドライブの引き合いなど大きいラリーでは分が悪いと感じました。
また、ブレード面が大きく重量が重くなりがちで、ラバーで重量を調整するか、しっかりと振りきれる筋力が必要となります。
自分に合っていると感じた方は、是非試してみてください。
張本智和インナーフォースALCの個人的評価 | |
---|---|
スピード | |
回転(掛けやすさ) | |
コントロール | |
打球感(硬さ) | |
弧線の高さ |