裏面打法をするにあたりどのラケットを選べば良いか迷っている方は多いのではないでしょうか。
片面ペンから両面ペンに移行する場合は、選択を間違えると大幅に重量が上がり、振り切れなかったり、故障の原因にもなりかねません。
また、ラケットが重すぎて振り切れず、フォアの威力が落ちてしまっては本末転倒です。
自分も元々片面ペンを使用しており、両面ペン(中ペン)に移行し様々なラケットを試してきました。
その経験からラケット選びの参考になる情報をお伝えできればと思います。
裏面打法に最適なラケットの選び方
ラケット選びのポイントは重量・ブレード・グリップの3つです。
重量
両面にラバーを貼る為、当然ですが片面ペンよりラケットが重くなります。
基本的には軽量なラケットを選ぶことをオススメしますが、パワーのある人はある程度重いラケットでも良いかと思います。
ペンはグリップの特性上、シェークより重く感じるので同じ感覚で考えない様にしましょう。
シェークで180gは一般的ですが、ペンではかなり重く感じます。
トータルの重量ではシェークより-10gぐらいの感覚で丁度良いかと思います。
おおまかなラケットのトータル重量の目安は以下の通りです。
- 軽量重視 159g以下 (ラケットは79g以下)
- バランス重視 160~170g(ラケットは80~85g)
- 威力重視 171g以下 (ラケットは86g以上)
ブレード
ブレードサイズが大きい程、貼るラバーの面積が増える為、トータル重量も上がります。
ラケットは軽いけどブレードが大きく、ラバーを貼った際に想像以上に重くならない様に注意しましょう。
ブレードサイズが大きい方がスイートスポットが広く裏面打法面もやり易いので、許容できる範囲で大きいものを選ぶのがオススメです。
個人的に考えるブレードサイズの目安は以下となります。
- 小:157×150 以下
- 中:159×150 程度
- 大:161×150 以上
グリップ
ラケットによりグリップの形状、太さは異なりますので自分に合う最適なグリップを選びましょう。
日ペンからの移行の際には細めのグリップを選ぶことをオススメします。
各メーカーラケットの特徴
バタフライ
バタフライの中ペンはブレードやや大きめ、グリップやや太めのラケットとなります。
ブレードサイズは161×150で形状はすべて共通です(一部例外有)
ラインナップはシェークでも人気のインナーフォースZLCやALC(張本選手仕様)などがあります。
現状5枚合板やZLC、ALCのアウター系のラケットが無いので一部ユーザーには向きませんが、自分が欲しい合板構成があればオススメのメーカーです。
※2022年3月よりアウターALCの「ビスカリア-CS」と「ビスカリア SUPER ALC-CS」が販売となりました
ニッタク
ニッタクはブレードサイズや形状、グリップはラケットによって異なります。
弦楽器シリーズはブレードが161×151と大きめで、グリップも太めですが、ラティカやルーティス等はブレードがコンパクト、グリップも細めです。
5枚合板ラケットが多数あり、初心者にもオススメしやすいメーカーです。
現状は中ペンのラインナップは少なく、選択肢は限られています。
ヤサカ
ブレードサイズが163×150の物が多く、形状は他のメーカーより縦長な物が多いです。
重心が先端寄りでドライブの威力が出しやすい反面、重く感じやすいブレード形状です。
アルネイド(161×150)やアーレスト系(161×152)など例外も有。
グリップはやや太めです(バタフライと同程度)
コスパに優れ5枚合板、7枚合板、カーボンまで一通りラインナップがある為、選択肢が広いメーカーです。
VICTAS
ブレードサイズは157×150とコンパクトの物が多く(一部例外有)、グリップも他メーカーと比較し若干細めです。
最近は中ペンのラインナップが増え、スワットシリーズ、カルテットシリーズ、丹羽選手モデルなど選択肢が広がりました。
7枚合板やカーボンラケットが多く、5枚合板など初心者向けのラケットが無いです。
コンパクトなブレードが好みの人には良いメーカーだと思います。
STIGA
標準ブレードサイズが162×151で大きく、ラバーを貼った総重量が重くなりがちです。
その分スイートスポットも広く、裏面打法がやり易い形状です。
グリップは他メーカーと比較しても太いです。
ブレードがコンパクト(160×150)でグリップも細いペンエースもあります。
中ペンのラインナップはメーカー随一で初心者~上級者まで幅広くカバーしています。
ミズノ
ラインナップは少なく中ペンはデネブとアルティウスST5の2つです。
どちらも5枚合板で軽量で入門には最適なラケットです。
グリップも細くストレートで日ペンからの移行もしやすい形状です。
現状は7枚やカーボンが無く、物足りなくなった人がステップアップするラケットがありません。
ミズノにはフォルティウス等シェークでは非常に人気のラケットがあるので今後のラインナップに期待です。
ダーカー
単板ラケットのイメージが強いダーカーですが、リベルタシナジーやセグナなど最近は合板のラインナップも増えています。
中ペンは特殊素材系のラケットが多く、中~上級者向けなメーカーです。
ブレードサイズは物によって異なり、コンパクトなものからセグナの様な多少大きめなものまであります。
まだ選択肢としては少なめですが、高性能なラケットで評判が高いメーカーです。
レベル別 オススメの中ペンラケット
初級者
ニッタク ラティカC
合板構成:木材5枚
ブレードサイズ:160×150mm
グリップサイズ:82×21.5mm
重量:80±g
板厚:5.8mm
スピード:ミッド
打球感:ミドル
ラティカ合板の中国式ペン。
どんなラバーの個性も活かす、コントロール性能に優れたラティカ合板。
少し細めのグリップで、攻守バランスを重視する選手やレベルアップを目指す選手にオススメ。
ニッタクHPより引用
ブレードサイズは160×150で大きすぎず、重量が軽く(80g±)ラバーの選択肢が広いです。
5枚合板で弾みは控えめで扱いやすく、基礎技術の習得に最適です。
グリップは他の中ペンと比較しても細めで、手の小さい方や日ペンからの移行でも握りやすいです。
弾みをラバーで補えば非常にバランスの優れたラケットです。
ミズノ アルティウスST5 中国式
合板構成:木材5枚
ブレードサイズ:157×150mm
グリップサイズ:83×23mm
重量:平均77g
板厚:5.9mm
スピード:ミッドファースト
打球感:ミッド
元日本代表坂本竜介氏プロデュース。飛びと軽さが特徴の5枚合板。
ミズノHPより引用
軽量高反発が特徴のラケットです。
ブレードサイズが157×150とコンパクトでラケット自体も平均77gの為、組み合わせるラバーによっては150g代のラケットも可能です。
グリップはストレートで丸みを帯びており、手が小さい人でも握りやすいです。
打球感は5枚合板としては若干硬めで弾きが良いので、柔らかめのラバーをチョイスした方がバランスがいいかと思います。
中~上級者
バタフライ ビスカリア-CS
合板構成:5枚合板+アリレート カーボン
ブレードサイズ:158×150mm
グリップサイズ:82×22×31.5mm
平均重量:81g
板厚:5.8mm
反発特性:11.8
振動特性:10.6
高い反発力と安定性を兼ね備えた中国式ペン
バタフライHPより引用
名作『ビスカリア』の中国式ペングリップタイプです。高い弾みとしなやかさを併せ持つアリレート カーボンを搭載しており、攻撃の威力と使いやすさ、どちらも妥協できないという選手にお勧めです。
シェークでも人気のビスカリアの中国式です。
アウター界の王道ラケットで、回転を掛けて良し、弾いても良しのバランス高さが特徴です。
性能面だけでなく形状も優秀で、158×150mmとやや小振りのブレードとなっています。
これにより両面に裏ソフトを貼っても重くなりすぎず、振り切りやすいラケットとなります。
グリップも若干細くなっており、手の小さい方でも握りやすい形状となっています。
アウターなので万人にオススメのラケットではありませんが、扱えるのであれば良い選択肢だと思います。
バタフライ インナーフォースレイヤーZLC-CS
合板構成:5枚合板+ZLカーボン
ブレードサイズ:161×150mm
グリップサイズ:82×24×32mm
平均重量:85g
板厚:5.7mm
反発特性:10.5
振動特性:9.5
打球の威力と安定性を両立させた高性能中国式ペン
バタフライHPより引用
「ボールをつかむ感覚」が特長であるインナーファイバー仕様の中国式ペン。軽量でありながら弾みの高さとしなやかさを併せ持つZLカーボンが、ハイレベルなプレーをサポートします。
弾みの良いZLCを搭載したラケットですが、インナー仕様なので回転が掛けやすく、威力と安定感のバランスが高いラケットです。
ZLCは硬くて扱いづらいけど、木材では物足りない、そんな人にオススメのラケットです。
重量自体は平均85gと標準的ですが、ブレードがやや大きめの為、トータル重量は重くなりがちです。
裏面を軽量にして調整するか、パワーのある人が使うと性能を生かせるラケットとなります。
バタフライ 張本智和インナーフォースALC-CS
合板構成:5枚合板+アリレート カーボン
ブレードサイズ:161×150mm
グリップサイズ:82×24×32mm
平均重量:87g
板厚:6.0mm
反発特性:10.7
振動特性:9.4
弾みと使いやすさのバランスに優れた中国式ペン
バタフライHPより
「ボールをつかむ感覚」が特長であるインナーファイバー仕様の中国式ペン。アリレート カーボンを搭載し、多くの場面で弾みとコントロールのバランスの良さを発揮します。
インナーフォースレイヤーZLCと同様、インナー仕様なので球持ちが良く回転が掛けやすいのが特徴です。
こちらの方が板厚が0.3mm厚く、平均重量も87gと重めです。
普通にラバーを貼ると170g以上になるのでパワーのある人か、裏面ラバーを軽くするなど調整が必要です。
重量があるので球威も出しやすく、ブレードが大きい為スイートスポットも広いです。
ZLCと比較して打球感が柔らかく、弧線になりやすいのでより安定感やバランスを求める人に最適です。
ニッタク アコースティックC
合板構成:木材5枚
ブレードサイズ:161×151mm
グリップサイズ:82×24mm
重量:84±g
板厚:5.7mm
スピード:ミッド
打球感:ミドル
安定したドライブ・ブロック・裏面打法が心地よい打球感を奏でます。
ニッタクHPより引用
幅広い層から人気の中国式ペン。
5枚合板ユーザーにオススメなのが弦楽器シリーズのアコースティックCです。
スイートスポットが広く均一な弾みでコントロールがしやすいです。
5枚合板としては弾みも良く、回転も掛けやすいので安定志向の人に向いています。
注意点は重量84g±と軽めですが、161×151とブレードが広いのでラバーを貼ると意外と重くなります。
グリップは結構太めですので、細い方が好みの人は削るか他のラケットを選んだ方が良いでしょう。
VICTAS スワット 中国式
合板構成:木材7枚
ブレードサイズ:159×150mm
グリップサイズ:82×23mm
重量:80±g
板厚:6.0mm
木を生かすギア、木が生きる打球感
木材の打球感を最大限に生かし、広いスイートスポットが特徴。
VICTAS HPより引用
操作性が高く、幅広いスタイルにマッチする高性能な7枚合板。
バランスに優れているのがスワットの特徴です。
重量が80g±と重すぎず、ブレードサイズも159×150と丁度いい大きさです。
グリップも万人受けする丁度良い太さです。
7枚合板ですが性能は5枚合板+αぐらいの性能で扱いやすく、どんなラバーにも合います。
特別威力の出るラケットではありませんが、どんな技術もやり易いバランスの良いラケットです。
中ペンで迷ったらこれを選んでおけば間違いないレベルです。
DARKER リベルタソリッドプロ 中国式
合板構成:木材5枚+イザナス2枚
ブレードサイズ:157×150mm
グリップサイズ:83×23mm
板厚:6.0mm
「吸収」「反発」など現代卓球に求められる様々な要素を兼ね備えたインナーモデル。木材ユーザーも認める心地良い打球感と確かな攻撃力が魅力です。
DARKER カタログより引用
同社のリベルタシナジーに搭載されている「イザナスカーボン」から、「イザナス」のみを搭載したのがリベルタソリッドプロとなります。
「イザナス」の特徴は「球持ちの良さ」と「弾み」の両立との事ですが、カーボンの様な強い弾みはありません。
打球感は殆ど木材でボールを掴む感覚が強いのが特徴です。
「イザナス」のおかげでスイートスポットが広く、打ち損ないが少ないラケットとなります。
爆発的な威力こそ無いものの、安定した堅実なプレーがしたい人にオススメ。
ブレードも157×150mmと小振りなため、ラバーの選択肢も広いです。
まとめ
今回は中ペンの選び方とオススメのラケットを紹介しました。
ラケットを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- ペンはシェークに比べ重量を感じやすい為、重量にはシビアになる
- ブレードサイズが大きい方がラバー重量も増える為、ブレードサイズにも気をつける
- ブレードサイズは大きい方がスイートスポットが広く、裏面打法がやり易いので許容できる範囲で大きいものを選ぶ
- グリップは各メーカー、ラケットによって異なるので自分に合った物を選ぶ
以上を参考にして自分に合う中ペンラケットを選んで頂ければと思います。
興味深く拝見いたしました。私も中ペンで、馬琳エクストラオフェンシブを使っていたのですが、重量がきつくなり、ブラックバルサ7.0にしたところ、楽になりました。フォアはキョウヒョウネオ3 バックはG1にして、中陣から振れるように練習しております。またよい記事を期待いたしております。
ひゃらら様
コメントありがとうございます。
両面に裏ソフトを貼ると重いですからラケット選びは重要ですね。
また良い記事が書けるように頑張ります!